久しぶりに、きみと眠った夜

夕暮れ後の静かな海辺。やわらかな波が寄せ、夜の始まりをやさしく告げている。

1人部屋で寝るようになってから、もう半年。
昨夜は、久しぶりに一緒に寝たね。

夜中に、
「さみしくて、すこし一緒にいてもいい?」って
私の布団に入ってきたきみ。

なにか怖かったのかな。
そんな心配をしながら、
他愛もない話をして、ふたりで笑ったね。

いつもは怒ってばかりで、癇癪もひどいけど、
今夜のきみは、優しい声で甘えてきた。

いつもそうならいいのに……なんて思いながら、
優しい君を、全身で感じていたんだ。

「そろそろ部屋に戻りな」って言っても、
「うん」って言いながら話を止めなかったね。

そう何度か繰り返すうちに、
きみの声がだんだん小さくなって、
私より先に寝ちゃったんだよね。

大きくなったから布団も少し狭く感じて、
寝返りをうとうと思っても腕から離れなくて。

その小さな温もりが、
なんだか愛しくて、
久しぶりに胸の奥があたたかくなった。

朝になればまた、
泣き声や怒り声が響く、いつもの日々が始まる。
それでも、昨夜のあの穏やかな時間を思い出せば、
少しだけ、明日を信じてみようと思える。
何度も打ち砕かれても、
優しいきみが確かにいること、
そのことを忘れずにいたい。


昨夜、きみと過ごしたほんのひととき。
普段の忙しい日々の中で、こんな穏やかな時間があることに、
ちょっとだけほっとして、また少し希望を持とうと思えました。

今日も『さんぽ』にお付き合いいただきありがとうございます🌿

▶”きみ”のことについてはこちらもご覧ください

お留守番できない息子(きみ)の気持ちと、小さな挑戦

▶ まだ眠るきみのそばで過ごした時間もあります

まだ眠る君のそばで、そっと見守る時間

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