お花屋さんの前を通ったとき、
ふわっと甘い香りが風に乗ってきた。
「あ、くちなしだ」
その香りに気づいて足を止めた。
くちなしは、ずっと前から育ててみたいと思っていた花のひとつ。
濃い緑の葉っぱと、純白の花びら。
そして何より、あの優しい香りが大好き。
けれど、我が家のベランダは東向きの小さなベランダ。
ちゃんと育てられるかな。
枯らしてしまったらどうしよう。
そんな不安があって、なかなか迎えることができずにいた。
その日も、お店の前で立ち止まっては悩み、
手に取っては戻し、
また眺めていた。
そんな私を見ていた主人が、
「この出会いも運命だよ」
と声をかけてくれた。
それでも、レジを通す直前まで迷っていたのだから、自分でも少し笑ってしまった。
けれど、帰り道。
袋の中からふわりと香るくちなしの香りに、
少しずつ気持ちが変わっていく。
不安よりも、
「家に連れて帰れるんだ」
という嬉しさのほうが大きくなっていた。
家に着くと、すぐに袋から出して、
二階の小さなベランダへ。
ジャスミンの隣に、そっと置いた。
我が家のベランダには、
種から育てている蝋梅やラベンダー、
3年目になるジャスミン、
スイセンやヘデラたちが並んでいる。
玄関前には、種から育てて6年になるレモンとオレンジも。
まだ花を咲かせたことはないけれど、
毎年「今年こそかな」と楽しみに眺めている。
そんな植物たちの中に、
また新しい仲間が加わった。
今では毎朝ベランダへ出るのが楽しみで、
蕾を見つけると嬉しくなる。
最近は二階の部屋で過ごす時間も増えた。
育て方を調べたり、
虫がついていないか目を凝らして観察したり。
強い風の日には、倒れていないか心配になる。
気づけば、くちなしのことを考える時間が増えている。
それだけでなく、
「新しい芽が出てきたよ」
「きれいな花が咲いたよ〜!」
そんなふうに家族へ声をかけることも増え、
気がつけば、植物の話をする時間も増えていました。
まだ我が家に来て間もない、くちなし。
思い出と呼べるものは、まだないけれど、
毎朝ベランダに出る時間や、
新しい蕾を見つけた日、
咲いた花を家族と眺めた時間は、
少しずつ思い出になっていくのだと思います。
これからどんなふうに育っていくのかな。
そんなことを考える時間も、最近の楽しみのひとつです。
香りのする花が好き。
蝋梅も、ジャスミンも、
そして今回迎えたくちなしも。
花の姿を見るのも好きだけれど、
風に乗ってふわりと届く香りには、
なんだか心をほどいてもらえる気がする。
ベランダを吹き抜ける風が、
いつかくちなしの香りを家の中まで運んでくれたら。
そんな日を楽しみにしながら、
今日も様子をのぞいています。
今日も『さんぽ』にお付き合いいただきありがとうございます🌿
みなさんのおうちにも、ふと心がやわらぐ時間はありますか?
お気に入りの植物を眺める時間や、窓から入る風、どこからか漂ってくる花の香り。
そんな何気ないひとときが、毎日の暮らしを少しだけ豊かにしてくれるのかもしれません。
我が家のくちなしも、これからどんな花を咲かせ、どんな思い出を増やしてくれるのか楽しみです。
みなさんの暮らしにも、小さな幸せがたくさん見つかりますように。
また次の『さんぽ』でお会いしましょう🌿

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