夜の散歩に出ると、澄んだ空に星がいくつも瞬いていた。
空は高く広がり、冷たさを帯びた風が頬をなでる。
思わず腕をさすったとき、
隣にいる夫の温もりが、心をやわらげてくれた。
夏の終わりのさみしさと、
秋を迎えるときめきが、胸の奥で揺れていた。
「秋の楽しみ」を語り合う声は、
夜空に溶けて、ふたりの足取りを軽くしてくれる。
美味しい食べ物、キャンプの時間ーー
やりたいことはたくさんあるけれど、
外の世界に踏み出すことがむずかしい“きみ”のことを思うと、
全部は叶わない。
それでも、できることを一緒に見つけて、
ふたりで工夫しながら楽しもうと心を寄せ合った。
希望を口にすれば、
できなかった時の痛みも大きい。
それでも未来に期待したくて、
夜の道で夢を重ねていた。
いつも曲がる帰り道を通り過ぎ、
一本先まで歩いたのは、
ほんの少しでも現実から遠ざかりたかったから。
支え合う夫婦の気持ちが、
そっと重なった瞬間だった。
今日も『さんぽ』にお付き合いいただきありがとうございます🌿
今日の記事の写真は、夜の散歩で出会ったハートの形の雲です。
思わず笑ってしまうような不思議な空模様に、ちょっと元気をもらいました。
支え合いながら歩く時間に、こんな偶然が重なるのも幸せですね。
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