ねぇ、
おかあさん、ちょっと出かけてもいいかな?
ほんの10分、
すぐ帰ってくるよって言っても、
きみは「うん」とは言わなかったね。
小さな声で、「行かないで」って言った。
うん、わかってる。
きみが不安になる気持ち。
目に見えないものがこわくて、
きみが言ってたよね、
「もし誰もいなかったら、どうやって生きていくの?」って。
誰もいない家で、なにかが起きたら…
どうしたらいいのかわからなくて、
小さな胸がぎゅっとなるんだよね。
でもね、
おかあさんも、昔はそうだったんだよ。
玄関のドアが閉まった音。
時計の針の音が、急に大きくなる。
風の音も、冷蔵庫の音も、なんだかこわく感じて、
耳をふさいでみたり、テレビを大きくしてみたり。
それでも、お留守番ができた日は、
なんだかちょっと大人になれた気がしたの。
小さな冒険に成功した、
勇者みたいな気持ちだったな。
きみも、いつかそんなふうに思える日がくるといいな。
今すぐじゃなくていい。
ちょっとずつでいい。
きみの「やってみようかな」が、
そっと世界を広げていく。
小さな一歩は、小さなままで、ちゃんとすごい。
そしていつか、笑って言える日がくるよ。
「だいじょうぶだったよ」って。
今日も『さんぽ』にお付き合いいただきありがとうございます。
わたしたちも昔、ちいさな「ひとり」の時間をこえて、
少しずつ大人になってきたのかもしれませんね。
我が家ではまだまだ、お留守番は“ちょっとこわい冒険”です。
それでも、本人なりのペースで挑戦しようとする姿に、
「きっと大丈夫」と思える日が少しずつ増えていくといいなと思います🌿
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