朝の玄関先。
長男が出かけるとき、私はそっと「いってらっしゃい」と握手を交わす。
手を振りながら、長男が見えなくなるまで見送り。
手のぬくもりを感じると、今日も無事に過ごせますようにと、自然に思わず祈ってしまう。
夫を見送るときも、そっと肩を寄せて。
短いひとときだけれど、ぬくもりを確かめながら、
きっとお互いに「おかえり」「ただいま」があることを願ってしまう。
無事に見送ったあとは、胸の奥に小さな安心が広がる。
今日もお見送りができた――
そのことだけで、心がふっと軽くなる。
そして家に残る私と“きみ”。
今日も、言い争いやちょっとした騒ぎが起きませんように――
そんな小さな願いを抱きながら、そばで見守る。
(“きみ”については、こちらの記事もご覧ください:まだ眠る君のそばで、そっと見守る時間)
日中は、きみとのハラハラする時間もあって、
ちょっとドキドキする瞬間もある。
でもそのひとつひとつも、大切な時間なのだと思う。
予定通りに家のことが進むことはめったにないけれど、
少しずつ片付いていく様子を見ていると、
一日の終わりに心にゆとりが生まれる。
今日はこれでよかったな、とそっと思える瞬間が、
ほんの少しだけ広がる。
日が暮れるころ、家族が帰ってくる時間が近づく。
玄関の音に耳をすませ、扉が開く瞬間を待つ。
「おかえり」と声をかけ、互いに笑顔を交わすそのひとときが、
朝の見送りと同じくらい胸をあたたかく満たしてくれる。
毎日の当たり前にある「いってらっしゃい」から「おかえり」まで。
こうして、今日も誰も欠けずに家族がそろい、
無事に帰ってきてくれることに、どこかほっとしながら感謝する。
当たり前のようで、あたりまえじゃない。
生きていること、無事に帰ってこれることのありがたさを、そっと感じながら、
今日も家族と過ごす時間に寄り添っているのだ。
小さな日常のひとこまですが、読んでくださったあなたの心にも、そっと寄り添う時間がありますように。
家族との毎朝のやり取り、見送りやおかえりの瞬間は、当たり前のようで、あたりまえじゃない。
そんな小さな奇跡を感じる日々の温かさを、少しでも共有できたらうれしいです。
本文にも登場した“きみ”との時間については、よろしければこちらの記事もご覧ください
まだ眠る君のそばで、そっと見守る時間
また、きみとの日常をもっと知りたい方は、
「そばにいる」カテゴリもあわせてご覧いただけます。
今日も『さんぽ』にお付き合いいただき、ありがとうございます🌿
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