第4話 母として、あきらめたくない理由

見上げた空に広がる紅葉の木々。迷いながらも、母として前を向こうとする想いを映した秋の景色。

思い通りにならない日が、何度もありました。
何度ぶつかっても、泣き崩れた夜があっても、
「もう無理」と思った瞬間があっても――
それでも私は、息子の未来をあきらめたくない。

どうしても心が追いつかない時があります。
伝えたいことがうまく届かなくて、
ただ、立ち尽くすことしかできない日もあります。
「母として、私は間違っていないだろうか」
そんな不安が胸の奥で何度もささやくのです。

それでも、やっぱり思うのです。
この子は、誰よりも繊細で、
誰よりも迷いながら、それでも一生懸命に生きている。

何を信じればいいのか、
どう生きればいいのか、
まだうまく掴めないだけ

この子を見ていると気づくことがあります。
怒りも、拒絶も、戸惑いも――
そのすべての奥に、「助けて」という声が隠れていることを、私は知っています。

だから、私はあきらめない。

息子の中には、
確かな強さも、やさしさも、
ちゃんと眠っているから。

その光がもう一度輝けるように、
私は信じ続けていきたい。

私は完璧な母ではありません。
間違えることもあるし、迷うこともある。
ときには、言葉が見つからない日もある。

それでも伝えたい言葉があります。

「なにがあっても、そばにいるよ」
「独りじゃないよ」
「一緒に生きていこう」

それでも、時々思う。
この道はどこへ続いているんだろう、と。

真っ暗な夜道のように、足元すら見えなくて、
小さな光が遠くに見えたと思ったら、次の瞬間には消えてしまう。
それでも――立ち止まっても、後ろに下がっても、
気づけばまた一歩、前へ進んでいる。

その繰り返しの中で、
「諦めない」ということを、私は少しずつ覚えてきたのかもしれない。

背中を押す勇気は、いつも私には足りないけれど、
それでも――
この子の人生を、希望で満たしてあげたい。

叶わない約束はしない。
ただ、できる限りを尽くす。
それが、私の母としての答えです。

もしあなたにも、大切な誰かのために涙した夜があるなら――
どうか責めないであげてください。
あなたの優しさは、ちゃんと届いています。
そしてその思いが、きっと誰かの心をあたためているはずです。


次回は、胸の奥に残る痛みや怒り、許せない気持ちと向き合いながらも、
少しずつ前へ進む「未来への一歩」について考えます。

どんな気持ちの自分も、そのままで大丈夫。
小さな一歩を踏み出す勇気を、一緒にそっと確かめてみませんか。

今日も『さんぽ』にお付き合いいただきありがとうございます🌿

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